<-- バナーメニュ -->

学会概要

代表理事挨拶

 日本カリキュラム学会の歴代代表理事のお名前を記します(敬称略):柴田義松、安彦忠彦、田中統治、水原克敏、長尾彰夫、松下佳代。ここに私の名が続くことに、何とも言いようのない、不思議さや畏れ多さをひしひしと感じております。

 会則第12条に、「代表理事は本会を代表し、諸会議を召集する」とあります。「代表理事」は、会員による理事選挙により当選した理事の間で、もう一度、選挙をして決まります(会則第11条)。他学会のように会員の選挙で選ばれる「会長」と、本会の「代表理事」とは、性格がやや異なります。代表理事は、本会の代表もさることながら、理事会を代表するとも言えそうです。重責にくらくらするというのが、率直なところです。

 代表理事就任にあたり、この挨拶文を書くこととなりました。先例の参照をと考え、学会誌『カリキュラム研究』創刊号(1992)以降、代表理事の挨拶を探しました。創刊号から第11号(2002)までは、理事会が同誌の編集委員会を兼ねました。この間、第9号(2000)に、「代表理事離任のあいさつ」(柴田義松・前成蹊大学教授)と「代表理事就任のあいさつ」(安彦忠彦・名古屋大学)があります。理事会から編集委員会が独立した第12号(2003)には、「代表理事再任に当たって」(安彦忠彦)があります。第15号(2006)は「代表理事離任のあいさつ」(安彦忠彦・早稲田大学)と「代表理事就任のあいさつ」(田中統治・筑波大学)、第18号(2009)は「代表理事就任のあいさつ」(水原克敏・東北大学)、と続きます。理事選挙・代表理事選出は3年おきですので、第21号(2012)や第24号(2015)にもこの種の挨拶文がありそうですが、未掲載でした。第27号(2018)に「代表理事就任の挨拶」(松下佳代・京都大学)、第30号(2021)に「代表理事再任に当たって」(日本カリキュラム学会代表理事・松下佳代)がそれぞれ掲載されますが、第33号(2024)は掲載なしでした。

 年刊の『カリキュラム研究』に加え、本会には年3回刊行の『学会会報(Newsletter)』があり、第32号(2003.7.31)以降はオンラインで読めます。現在は電子メールで配信ですが、かつては郵送でした。同紙第47号(2008.8.31)に「代表理事就任にあたって」(東北大学・水原克敏)と「代表理事退任にあたって」(筑波大学・田中統治)、第56号(2011.9.1)には「代表理事挨拶」(東北大学・水原克敏)、第65号(2014.9.8)に「新代表理事挨拶」(プール学院大学・長尾彰夫)と「前代表理事挨拶」(早稲田大学・水原克敏)が、それぞれ見えます。第74号(2017.9.19)には、「新代表理事挨拶」(京都大学・松下佳代)、「前代表理事挨拶」(プール学院大学・長尾彰夫)もあります。

 『カリキュラム研究』と『学会会報』とを調べますと、学会事務の業務委託を開始し、各種情報の掲載や配信でオンライン化が進められる中、代表理事就任・離退任の挨拶文をどう扱うか、本会の二つの定期刊行物の間で、少々揺れているように感じられます。

 今回の代表理事就任は、約30年お世話になってきた本会に、ご恩返しをする機会ととらえています。記憶違いもありえますが、昔話を書きます。大学院生だった1997年、高知大学の大会で、初めて本会で発表しました。「全国学会デビュー」で、司会の天野正輝先生にご挨拶をしました。台風が接近し、新宿駅発の寝台列車に乗った記憶があります。2005年夏、大学に職を得て数年の頃、東京学芸大学の大会で、はからずも本会の事務局長を務めることとなりました。つくばエクスプレス開業の年でした。2006年竣工の早稲田大学26号館で、事務局長(当時)の三尾忠男先生から引き継ぎを受けたはずです。往時の理事会は対面開催のみで、改修前の筑波大学東京キャンパス(最寄りは茗荷谷駅)を、主な会場としていました。理事会の案内や出欠確認には、往復ハガキやファクシミリを使っており、徐々に電子メールへと切り替えた記憶があります。学会事務局の各種業務は、大学院生のアルバイトが主力でした。当時は、事務局の実務を通じて、院生教育の機能が期待されていたかもしれません。その後も、事務局幹事や理事、正副委員長を務めさせていただく機会に恵まれました。

 この30年間ほどで、大学や学会を巡る諸状況は、色々と変わりました。少子化や18歳人口の減少、国立大学の法人化、教職大学院制度の導入、新しい学協会の創設等は、そのいくつかの例でしょう。教育関連の諸学会は多様化する一方、拡散や小規模化、会員の漸減が進みつつあるようにも思います。会費未納者の扱いにより数字は変わりますが、本会の会員数も、往時の約800名をピークに、近年は700名前後です。他方で、次の学習指導要領が議論されるこの時期、本会の存在は重みを増す一方です。会員の皆様のご活躍に期待しております。

 これまで3期9年間、代表理事をお務めいただいた松下佳代先生、および事務局の皆様に、心より御礼申し上げます。前期から引き続き事務局で幹事ご担当の竹川慎哉理事、また事務局長をお引き受けいただいた緩利誠理事とともに、しっかり務めたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。


2026年9月6日
日本カリキュラム学会代表理事 根津 朋実(早稲田大学)

Site Map